おしんこちゃんの学級日誌〜聖山学園のある日授業サボりの佐竹くん編

本編が書きあがるまで息抜きの不定期連載番外編、

おしんこちゃんの学級日誌。

よく目立つ不良キャラ、佐竹くんが授業中見当たらないことに気づいた、おしんこちゃんこと橘真子。

周囲によくよく聞いてみると、彼がこの場にいないことには複雑な事情が。

そしてどうやら授業をサボっていたはずの彼は、誰もいない屋上でずっと自習をしていたらしいのだ。

そんな彼はついに前回、行動を起こして。

時永先生は静かににこりと、いつものように猫をかぶった笑みで、こともなげに言う。

わっ、佐竹が来たぞ!と騒ぐでもない。

かといって、当然と流すでもない。

ただ、とても小さい独り言を垂れ流すのは時永先生の癖だ。

今、私の良すぎる耳に僅かに、何かが聞こえたのはきっと、本心だろうと思いたい。

それも、なんだか安堵したような声色で。

で鈴木ユータローくん

!ははいっ

あっけにとられていたらしいユータローくんが慌てたように答えた。

橘さん

はいっ!

私は手をあげた。同時に、佐竹くんが植苗くんの隣に座った。

驚く植苗くんに、彼は声をかける。

あのさ、植苗。説話得意だろ。ノート見せてもらっていいか?

え?あ、ああ、いいよ

戸惑いつつも、植苗くんは開いたままのノートを差し出した。

前回の内容だ。

もしかしてわかんないとこある?

実は、あった。前から、一回借りてみたかったんだ。お前みたいなやつのノート

佐竹くんは貸してもらったノートをぺらぺらとめくって、それから

ふっと、穏やかな表情で笑った。

さすがだよな、ちゃんと解釈してる。そういうことか

佐竹に言われるとは思わなかったよ。なんか照れくさい

何言ってんだ。最近はお前の方がいいんだろ。説話の成績

だんだんと打ち解けていく会話に耳を傾けていると、ユータローくんが隣から私を小突いた。

もしかしてだけど、あれからあいつの隠れ家みっけたの?

うん

すげえ。引っ張りだしてきたの?

違うよ

私も少しだけ笑う。

ちょっとだけ。うん、ちょっとだけ嬉しかったんだ。

その、目の前の光景が。

自分で出てきたんだよ。あのド変人

聞こえてるぞ、ド変人

ごめん、ド変人

ユータローくんが噴き出す。

何なのお前ら、出来てんの?

てめえら静かにしろよ、神聖な授業だぞ

また植苗くんのポンコツが始まった

そうか、噂のアレだな

何の噂だよ、いいから静かにしろ、聞けないだろ

そう、この真面目なド変人はまず

時永先生の授業からぽつぽつと復帰しはじめたのだった。

まぁね。

まだ時、サボっていることもあるけれど。

橘さん、佐竹が行方不明なんだけど

ああ、呼んどいたよ

電話一本で来るようになった分、マシだと思いたい。

一昨日のことですが、お誕生日おめでとう私想像でしか恋愛経験がないまま四半世紀生きてしまったよ

で、今回も遅くなりましたが、ようやく佐竹くん編最終回です。

おしんこちゃんの学級日誌は基本的に、ごく普通の人間の物語です。

のように狼男や木の妖精は登場しませんし、コマ割みたいに変な忍者と神様が身内になったり、空から落ちてきたりなんて絶対しません。

2つのあり得ない物語に繋がる、ありきたりな序章。

それがこの学級日誌であり、普通の人間代表が、橘なのです。

これから橘は色な物事を経験するでしょうし、その鋭い感性や聡い耳で、やコマ割に繋がる、何かしらの不穏なものを目にしたりもするでしょう。

でも、いくら妙なものを目にして驚いても、怯えても、戸惑ったりしても。

多分、この子の芯はぶれませんし折れません。

鶴岡先生にからかわれてはいつも通りぷりぷりと怒って。

時永先生には困惑と同時に好奇心を抱いて。

気の合う犬飼先生とは和菓子を食べてケラケラと笑い合う。

そんな、感情豊かな普通の子。

その感情を向ける相手がずーっと目の前にいるなら、恐らくずーっとそのスタンスは変わらない類の安定感のある主人公です。

ずっと目の前にいるなら、ね?

わー。何て不穏な締め方ー。棒読み)

ともかくおしんこちゃんシリーズのキャラクター紹介はこちらから!ちなみに佐竹くんの紹介を更新したよ!

前作から引き継いでいる学校の設定等はこちら聖山学園

このお話は連載終了したと連載中のコマ割両方の前日譚としても楽しめるお話となっています。

興味のある方はぜひ、今までのお話もチェックしてみてくださいね

今までの連載作品はこちら