詩集5冊あいまに原稿

夕方、近所を短い散歩しただけで、あとは詩集を読んでいました。この日は5冊。以下はツイッタより。

谷川俊太郎55『歌の本』(講談社2006)歌詞として書いてきた作品(子供のための歌をのぞく)を集成した66篇。音楽がついて歌われるのが前提だが、詩として読んでも楽しめて意義深い作品も多い。未作曲のものもいくつかあって、今後に期待したい。「世界の約束」など詩として自立し得る作品も。

谷川俊太郎56『私』(思潮社2007)思潮社シリーズ第7冊。長きにわたって詩における「私」性を否定してきた詩人が「私」を主題にした一冊は驚きをもって迎えられた。人を驚かすのも詩人の使命とばかりに、大胆に描写される「私」はまさに詩人の肖像だ。処女詩集を思わせる清新な「少年」連作も。

谷川俊太郎57『ひとりひとりすっくと立って』(澪標2008)全部で140以上ある校歌の歌詞から44篇を編んだ校歌詞集。幼稚園から小、中、高、大学、そして会社、老人施設まで、まさに全人生をカバーした歌詞集だ。選択の基準はあくまで「詩として」自立して読まれ得るもの。編集は山田兼士。

谷川俊太郎58「子どもたちの遺言」(佼成出版社2009)新生児から新成人までの子供たちを撮った田淵章三の写真に付した詩12篇。すべて子供自身の視点による語りによって構成されている。子供の詩の達人とはいえ、まだ言葉を一言も発しない新生児の気持を詩にするとは驚きだ。しかも遺言とは。

谷川俊太郎59『トロムソコラージュ』(新潮社2009年)長い作品は苦手、と言い続けた詩人が、喜寿を迎えて長編詩に挑戦した6篇。いずれも物語性の強い作品だが、凝縮度と暗示力によって詩的言語から離れることなく、未知の領域へと歩を進めて行く。書き下ろしの「臨死船」と「この織物」は傑作。

これで残りは9冊。どうやら68冊ということのようです(今のところ)。

詩集を読む合間に、一昨年に口頭発表した谷川俊太郎論の原稿チェックをしました。必要最小限だけの修正にとどめて送稿。5月末締め切りのものです。あとは短い解説文と詩、それに大学提出書類があります。ま、大丈夫。

深夜ワインはスペインの赤。音楽はフラメンコのギターを聞いています。ひさしぶりにスパニッシュな深夜です。