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メモ

死後我々が赴く所、そして様々な神や霊(あるいは天使や菩薩)が居る世界は、高い清明な境域から低いところまで、幾層にも分かれているのである。

(中略)われわれの祖先は、すでに幽界に移行して、霊的浄化の道を歩んでいる霊魂である。

その霊魂はある程度の浄化を果たすと、子孫たちを守護する霊力を持つようになる。高い世界に行けば行くほど、エネルギーは強力になり、加護を願う子孫への守護力は増大するわけである。

従って、祖霊浄化の祭りを丁寧に繰り返し行う事は、霊的加護を仰ぐには必要である。それは前述したように、高級霊の協力を乞い、故人の浄化を願う事である。神道が祖先の祭りを大切にと主張するのはこういう事があっての事である。

祖霊の中には、浄明界まで昇って、通常考えられている神と同じほどの位に着かれている霊神もいる。これを「遠祖明神」と申し上げるのであるが、どんな人でも、その家の遠い祖先をはるかに尋ねれば、この明神に必ず通ずるものである。ある意味で、これらのお方が「氏神」と申し上げるお方で、その家の神話時代の祖先のみを指すものではない。

(中略)もともとはこの「遠祖明神」を祭るものであったのであり、それが「土地の神」と解釈されたり、(蝉注:明治39年に日本政府が行った神社合祀の結果)勧請された鎮守神と習合したりしてわからなくなってる場合が多い。

(中略)しかし、現在、ほとんどの家では、この遠祖明神とのつながりを顧みようとしない。それは、神棚にその「御分霊」を祭る「霊代」がないこと、浄明界以上の神霊を呼ぶ霊力を持った神職がいなくなったこと、また、祭祀する人々が高い神霊にふさわしい潔斎を行っていないことなどが挙げられる。

もし、これらの条件を改めれば、誰の家にも神霊は降臨し、浄明界の霊光零条が差し込んで、家庭円満、諸事幸運が得られるであろう。

現代風に言えば、神霊とのホットラインが開通するということである。さすれば子孫はさらに敬愛の情を捧げるようになり、近世の祖先も浄化され、その家の守護はますます高く強くなるだろう。

そしてこのような守護神・守護霊を持てば、苦しいとき、悲しいとき、心の底から祈れば、必ず守護してくださるのであり、また死後の世界に赴いたときも、暖かく指導してくださり、怪しげな世界に迷うこともないのである。

このように、我々が神霊の加護を願うには、それにふさわしい霊(霊団)に祈りを捧げなければいけない。もちろんそのためには、人間の側の準備や手続きも欠かせない。むやみに有名神社や創造神に祈っても、通ずるわけではないのである。

(中略)

聖書、特に旧約を読むと、神は様々な命令を出し、人民がそれに背くと悲惨な罰を与える。また、神を崇めれば、様々な奇跡を起こす。まさしく人間と契約し、取引する神である。神道の神世界の観点からすれば、このような神は創造神ではない。創造神は人間との交渉に応じ、奇跡を見せたりする存在ではないからである。故人と取引し、霊験を与えるのは、幽界か、せいぜい霊界の霊(天狗や仙人の類)である。

神道の神秘」山蔭基央著より抜粋